本棚の真ん中から、強く、柔らかく、鋭く、砕かれた話。

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大丈夫。いける。

どうしても、書きたかったから。

普段、このブログで「独り言」のような文章を書くことはないのだけれど。どうしても「今」書きたくて、書かずにはいられなくて、今パソコンの前にいます。

ハウツーはまったくない、拙い文章になるのは確実。でもいいや。久々に、思ったままつれづれに書いてみることにします。

強く、柔らかく、鋭い

仕事の締切が近づいている。

集中したいし、今日は環境を変えてカフェで仕事をしようかな、と、行き慣れた本屋に併設されたカフェで仕事をすることにした。ここのカフェは買う前の本を席で読むことが出来るので気に入っている。

コーヒーを買って、席に着く。壁に向いた、コンセントも付いているテーブルの一番端っこの席。横は壁。仕事をするにはもってこい。

よし、とパソコンに向かうと、気づけば4時間くらい休憩もせずぶっ通しで仕事をしていた。

ふーっと一息をつく。さすがにちょっと疲れたし、足もちょっとむくんできたな。ちょっと休憩、と、散歩も兼ねて本屋の中を歩くことにした。

と、ふと、目に止まった一冊の本。話題には事欠かない人だけれど、私自身は正直あまり興味がなかったタイプの人が書いた新刊だった。

何気なく手に取った。どんな人なんだろ、まぁ立ち読みだし休憩がてら読んでみようかな。席に持ち帰り、ページを捲る。

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止まらなくなってしまった。

止める気も、さらさら起きなかった。こんな感じは本当に久しぶりだった。

そして、なんだか泣けてきた。

なんだろう、感動、とかじゃない。悲しくもない。嬉しいとも違う。なんだか、不思議な涙だった。

最後のページを閉じたときには、体中がふわふわ浮いている感覚が私をまとっていた。なんだろう、これ。

帰り道も、その感覚は消えなかった。自転車で家まで帰ったのだけれど、正直道中のことはよく覚えていない。事故もせず帰ってきたからちゃんと交通ルールは守っていたんだろうな。

これは、余韻、というやつなのかな。でも何か違う。言葉では上手く表せない。けど、表したい。この感覚はどういう言葉で表すのが良いんだろう。

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頭をハンマーで殴られたみたいな衝撃、とか、なんかもう語彙が陳腐すぎるけれど、でも、実際そういう類の衝撃だった。思いっきり殴られて、頭がぐあんぐあんしているような、そんな感覚だった。

強い衝撃。だけど酷くはなかった。あんなに強く殴られたのに苦しくも痛くもなんともなかった。頭を粉砕するような酷い衝撃じゃなかったのは、多分、言葉の陰にあったいくつもの柔らかさや優しさが、振り下ろされたハンマーの硬さを和らげたからだと思う。

でも、どれだけ硬さが和らいでも、やっぱりその衝撃は強かった。相当、強かった。頭は粉砕しなかったけれど、強く、柔らかく、鋭く、私を砕いた。

不思議なことに、今、内容を少し思い出してみても、読んだときと同じレベルで泣けてくるのだ。なんなんだろう。この感じ。大好きな小説を読んだ時だって、こんな感じにはならなかったのに。

感動じゃない、悲しいわけでもない、嬉しいとのも違う。なんだかわからない。でも、確かにわかっているのは、前向きであること。涙は、これまでにないくらい、前向きなものだった。

大丈夫。いける。

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その本は今、私の本棚の真ん中に置かれている。開いたページのどの章からも、どの文からも、どの言葉からも、色んなことが伝わってきた。けれど、

大丈夫。いけるよ。

本の最初と最後に書かれたその言葉が、その本のすべてのような気がした。

あとがき

やりたいこと、ありますか。

私は、あります。はじめは、ひとつ、ふたつだったのが、今ではどんどん、湧いてきます。そして、湧いてくるだけじゃなくて、出来そうな気すら、してくるんです。不思議と。何でかは、わからないけれど、でも、なんとなく、そんな気がしてるんです。

大丈夫。いけるよ。

西野亮廣著「新世界」より

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