650万円あれば保育士2人確保出来るという事実。そしてそれが現実。

Curiosity

 

 

大事なのは、一番小さな幸せ度を忘れないこと。

 

 

暮らしの満足度は人それぞれだけど

 

少し前のニュースで、名古屋市議の報酬を800万円に戻そうという特例条例案を名古屋市長が市議会に提出するという方針を固めたという報道があったのですが、この報道を見て、800万円も十分な額だとは思うけれど、それよりも、今までさらに650万円ももらっていたなんて、と心底驚きました。
 
650万円って。
 
一般的な会社に勤める社会人の平均年収は、働き盛りの30代でも500万程度です。
 
これは都市部も地方もひっくるめた数字なので、土地によってばらつきがありますが、500万で子ども3人育てて、マイホームもあって、時々家族旅行もなんて家庭はざらにあると思います。
 
そんな中、800万円から1450万円に増額になった際、「年収800万円では子育てしていくのは厳しかったよ」とコメントしていた方もいらっしゃいました。
 
うーん。
 
暮らしの満足度は人それぞれだから、800万あっても足りないという人もいれば、300万で3人育ててますよ、十分幸せですよ、という人もいる。
 
ただ・・・。納得がいかない。
 

 

本当に給料を上げなければならない人は別にいると思う

 

そのニュースを見た時に、本当に給料をあげなければいけないのは別にいるんだということを、偉い人たちはわかっているのかな、と疑問に思いました。
 
たられば、の話ですが、もしそれだけの財源を何にでも使っていいとなったならば、それを使うべきは介護福祉に従事している保育士・介護士なのではないかと、思うのです。
 
 
 

保育士のお仕事お給料事情

 
私は、母親が元保育士、祖母が介護士と、福祉関係の仕事をしている人が身近にいたこともあり、福祉関係のニュースや内情を意識的に調べたり見聞きしたりする機会が多くありました。

最近では、そういった福祉関係の職業についてのニュースが多くなって、実情が少しずつ世間に広まってきています。保育士関連でいうと、ニュースでよく耳にするのは、「待機児童が多い」問題ですが、それにはいくつか原因があり、その中の一つが「保育士不足」という問題です。
 
 
保育士が足りない(転職率が高い)という問題の原因として、

  1. 仕事内容の大変さ
  2. 低い給料

この2つがよく挙げられます。

でもほとんどの人が「ニュースとかでなんとなく聞いたことある」程度ではないでしょうか。保育士の仕事や給料事情に関して、現実とは違うイメージを持っている方も少なくありません。
 
この記事で、少しでも内情を知っていただければいいなと思います。
 

 

1. 保育士の仕事の過酷さ

 

世間には、「子どもと遊んだりして面倒見てるだけでお給料もらえるなんて保育士って楽な仕事だよね」と思う人がいるかもしれませんが、保育士の仕事は想像以上に大変です。

女性も働きに出ることが当たり前になってきている今の世の中、保育園の形態も「こども園」が出来たり、「小規模保育施設」が新設されたりと様々になり、保育園で預かる子どもの数も増えています。それは、度々ニュースになる待機児童の多さを見ても、一目瞭然。
 
そんな中でも、保育士さんたちは、

  • 一日中ひとりひとりの子どもに目を配って、
  • 連絡ノートにその日の様子を記入して、
  • 季節にあった飾り付けや制作をして
  • 発表会や運動会の練習や準備に追われて
  • 制作や準備が間に合わないから家に持ち帰って・・・

と、「長時間労働」「サービス残業」「持ち帰り残業」が当たり前になってしまっています。

 
平成29年賃金構造基本統計調査には、保育士の超過勤務労働の平均は月5時間となっていました。

 

そんなの嘘ー。そんなわけない。現実はこれなんです。

保育士ニュース「3つの保育園で9年間働いた。残業代はもらったことがない」保育士たちが語った現場
(バズフィード・ジャパン ニュース)

 
 
どういう調査で、さきほどの数字が出たのかはわかりませんが、これを元に上の方で色々なことが決議されていると思うと、なんだかゾッとします。もっともっと、世間に(そしてお偉いさんたちに)現状を知ってほしいと切に思います。

 
 

2. 仕事内容に見合わない給与額

 

前出の平成29年賃金構造基本統計調査によると、保育士の給料は月給平均約22万円となっています。

これは、保険や年金が引かれていない額なので、実際の手取りは約18万円程度。ボーナスを込みで考えても、手取り年収300万いかないのが現実です。

2017年2月に、国は、保育士の給料を月6000円上げる方針を出しました。それは、待機児童が多いという問題を解決するため、絶対的に足りない保育士の数を確保する為の方針だったのですが、「6000円」という金額に、正直愕然としました。
 
6000円ですよ。6000円。
一年で考えたって、72000円にしかならない。
 
批判するわけじゃないけど(いや批判だけど)、かたや、一年で650万もお給料があがる人もいる現実。

もちろん、議員さんだって大変なお仕事だと思うけれど、保育士さんのお仕事は子どもの命を預かる仕事。もっと正当な待遇を受けていいはずじゃないでしょうか。
 
 
 

まとめ

 
2016年時点の名古屋市議員の数は、68人。アップしていた650万円だけで考えたとしても、単純計算で130人以上の保育士を確保することが出来る。

 
650万円あれば保育士2人の年収がまかなえるという事実。
そしてそれが現実なんです。

 

今回はニュースになっていた名古屋市議のことばかりに言及してしまったけれど、多くの都市でも、同じようなことが言えると思います。

 

暮らしの満足度は人それぞれ。
でも、その満足度を計る基準を、「一番小さな幸せ度」にしてほしい。

 

炊きたてのごはんが美味しい、とか。
あったかいお茶を飲んでほっとする、とか。

 

それだけで、本当は、十分なんじゃないかと、思うんです。

 

 

もっともっとシンプルでいいじゃないか。

 

 

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